2007年03月29日

いとしの儚

3月28日
新国立劇場で上演された「遊座」旗上げ公演『いとしの儚』を観に行く。
素晴らしかった。
もう素晴らしいとしか言い様が無い。
が、それでは良く分からないのでもう少し書く。
とりあえず、自分的にショックだったのは、私が涙を流してしまった事だ。
これまで、舞台を含め様々な物語に触れてきた私だが、
泣きそうになる事はあっても、涙を流すに至る事は無かった。
その私が、両のまなこから涙を流してしまった。
面白い物で、自分で泣いているとは、涙が頬を伝うまで気が付かなかった。
この舞台は、全てにおいて質が高く、そして計算された物だ。
特別金がかかっている訳じゃない。
しかし、それを補うほどに人間の質が高いのだ。
そして何より本気だ。
舞台の世界は幻。
しかしそこにあるのは本物だった。
私はたしかにその「場」にいた。
我々人間は目の前の現実を無視できない。
それが私に涙を流させたのだ。
モニターやスクリーンという「壁」はやはり最大の障害なのだろう…。
観ていない人に誤解してもらいたくないのは、
この舞台が、ただの「お涙頂戴もの」ではないという所だ。
むしろ下ネタ満載の、ある意味下品な舞台だ。
そして出てくる人間(特に主人公)は酷いクズ人間である。
だが、我々はそこから喜怒哀楽全ての感情を得る。
それが大きな感動となるのだ。
あれだけハッチャけて、この感動を与える事が出来るのだ。
それは驚き以外の何物でもない。
観劇後、劇場を出ると総合プロデューサーの広井王子氏と、
観劇に来ていたらしい俳優の園岡新太郎氏が談笑している(?)のを発見。
興奮冷め遣らぬまま思わず感想を述べてしまう。
「舞台って良いでしょう?」
広井氏のその言葉に思わず頷く私であった。

って言うかもう本当に決めた。
今年は舞台やる!!
ずっと周りにやりたいやりたい言っていたけど、もうやります。
本気です。
2年ほど舞台も見まくって、人集めもして、丁度、機も熟してきた頃です。
どんなに小さくても良い。
とにかく一歩前へ踏み出す!!

ついでなので、レビューしそこなっていた舞台を幾つかさかのぼってレビュー。

1月26日観劇『ひつじ座30分劇場(1月)』
オムバス4本のうち特に面白かったのは「劇団動物植物」「海賊団」の2劇団。
「劇団動物植物」の『ありがたいかべ』は、
最初の長い一人語りで良くない空気を感じたのだが、
観ているうちにその不思議なやりとりに引き込まれる。
2人芝居だが、それを逆に上手く利用して不思議なトリックを成立させている。
ラストも綺麗に纏まっており完成度が高い。
「海賊団」の『海賊団第一話』はテレビアニメの一話のような構成。
アドリブと役者を生かした戯曲が相まってとにかく飽きない。
客席のテンションがガンガン上がるのが分かる。
とにかく面白く、第二話も観たい。

2月27日観劇『祇園に生きる』
三越劇場にて公演された本作。
きらびやかながら愛憎渦巻く舞妓の世界が描かれている。
それなりに面白かったが、その面白さを半減させる要素が多かった。
まず、舞妓の芸にスキが多すぎる。
プロフェッショナルを演じねばならないハズなのに、あれだけ緩くてはダメだろう。
そして幕間がとにかく長い。
しかも多い。
これは原型が映画であるせいなのかもしれないが、
だとしても、もっと観客の集中力の切れないアレンジを加えるべきだった。
幕間で観客が覚めてしまう。

written by D.J.HIRO : 13:49 | comment (13)


2007年03月27日

王立院雲丸の生涯

3月25日
助手さんたちを呼んで院生でバーベキューパーティをする予定だったのだが、
雨天中止となり急遽、家焼肉パーティに変更。
いやはやメッチャ楽しかった!
家焼肉に変更したのは正解だったな。
って言うかみんなでずっとWiiをやってました。
小学生かよ!!(笑)
でもあれ本当に凄いな。
ほとんどゲームソフト無しで一生遊べそうだ。
でも確かにみんなでやるゲーム機だなぁと思った(笑)
お次は卒業旅行だ!
と、いつまでも学生気分なのであった(汗)

3月26日
rsk氏と会議をするために池袋へ赴く。
25日に発売になった『サクラ大戦武道館ライブ』のチケットが、
ぴあその他チケット販売のショップで即完売してしまい手に入らなかった。
しかし、S席なら太正浪漫堂でまだ手に入るのでは?という情報を耳にしたので、
行ってみるとなんとまだSS席スタンドが残っているじゃないか!
予定より3,000円オーバーの出費だが、これを買わないわけには行くまいと購入。
その後、そのままサクラカフェで会議。
なんか今年はやる事を絞ろうと思っていたのに、
結局いつも通り色々やる事があるなぁという結論。
巻いて行かないと、どんどんスケジュールがズレ込みそうである…。
何とかせねば。

MFR版『王立院雲丸の生涯』(原作:広井王子・作画:池上遼一)を購入。
92年~93年頃少年サンデーに連載されていた漫画。
コンビニで売ってるペーパーバック版のコミックスで、
最近増刷されたらしく、見つけたので購入。
今回初読。
非常に面白い。
しかし、これは少年サンデー読者に受けたのだろうか…?とも思う。
ビッグコミックとかのほうが向いていそうだ。
広井王子氏の思想、趣味、そしてロマンがこれでもかというほど強く出ていると感じる。
基本はバトル漫画のフォーマットだが、そこへ様々な要素が混ざり合わさっていて、
それにより、完全に新しい漫画として成立している。
日本人、日本人、言っているのは一見右翼的に見えるが、
その実、左翼的でもあったりと、広井氏の独自の思想がよく表れている。
この辺りは『サクラ』を始め氏のほかの作品でも見られることだが、
これほど強く語られている作品は初めてかも知れない。
この作品に引き込まれる理由として、そのスケール感がある。
最近のマンガやアニメはスケールが小さい物が多い。
逆に大きすぎて現実感が希薄な物も多い。
(まぁ、リアル(≒日常)とバーチャル(≒非日常)のハザマの
 奇妙な感覚を描く事が最近のトレンドのようではあるが)
本作は池上氏の圧倒的な画力によって、広井氏の持つ大きな世界観と価値観を、
リアリティを失う事無く描く事に成功している。
こんなデカさを感じる作品を一度は書いてみたい物だ。
…もしかしたら、新次郎が目指すデッカイ男とは雲丸のような男なのかもしれない。

written by D.J.HIRO : 13:08 | comment (0)


2007年03月25日

絶対に笑ってはいけない卒業式

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3月21日
『東方不敗小町3』無事終了致しました!
ありがとうございました&おつかれさまでした!!
今回はイベント終了後、
関西から遠征してきているサークル「受神中」さんの音頭で打ち上げを行いました!
……こ、これが本場関西のパワーなのか…!!
めちゃめちゃ面白かった!!
そして凄い消耗した!!(笑)
皆さんとも仲良くなれてよかったよかった。
今回のイベントで心残りなのは忙しくて会場を全然見て回れなかった事だろうか…。
って言うか、いつもこのループである。
遊びに行ったイベント楽しくてやる気が出る→出展参加する→
当日忙しくなってイベント楽しめない→出展を止めて遊びに行く→最初に戻る
まぁ、ある意味ではこれが一番良い楽しみ方のようにも思えますが。

3月23日
多摩美の卒業式でした。
2年間は本当に早かったけど、物凄く濃い2年間だったと思います。
師匠と友達と先輩と後輩、他先生、職員の方々(笑)に本気で感謝しています。
2年では正直全然足りないと思う。
でもいつまでもここで学んでいる事も出来ないので、
私はさっさと次のステージを目指そうと思います。
って言うか卒業式が面白すぎる。
至る所に笑いのトラップが仕掛けられており回避不能だった(笑)
謝恩会の後、金も無いし友人率の低い大人数の飲み会は苦手だしって訳で、
ふらふらと思い出めぐりのような夜の散歩をする。
大学院の卒業式の夜、
高校時代によく歩いた道を行くと言うのは、なかなか感慨深い物があった。
飯田橋~四ツ谷の外堀土手。
桜はまだ咲いていなかった。
咲いていたらこの素晴らしい散歩が、より素晴らしい散歩になったことだろう。

以前りじゅこさんに回してもらったバトンはスルーさせていただきます…。
ごめんなさい。

written by D.J.HIRO : 10:38 | comment (0)


2007年03月20日

COME ON NOW 浅草

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いつも通りのギリギリ告知!!
明日3月21日東京都立産業貿易センター台東館にて開催「東方不敗小町3
rsk氏とのユニット『ドッジ弾幕』で参加します!!
スペースはC09bです!
新刊は私、D.J.HIRO個人誌『Me And My Girl』が出ます!
イベント売価は200円
久々のオフセット本です。
本日、家に届きましたがなかなか良い感じに仕上がっていると思います。
あとがきでグッズも出てるハズとか書いてありますが、見事に間に合いませんでした(笑)
もしかしたら、何か他の物もあるかもしれませんが未定です。
ここの所、風邪をひいたのか体調が微妙だったのですが、
今朝は最悪でどうなる事やらと言う感じでした…。
全快してないので明日が心配ですが、みなさま浅草でお会いしましょう!

はてさて、15日~18日の間、東京大学駒場キャンパスで行われていた
Formaggio』というイベントに行ってました。
参加している後輩の手伝いでろくに働かないウェイターをやってましたよ(笑)
しかし、なかなか面白かった。
展示作品と演劇、サウンドパフォーマンス等入り混じったイベントだったのですが、
何故か最終日にシークレットでこんな物が
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宗教とかじゃありません。
写真では分かりにくいですが、あの「ジョジョ立ち教室」です(笑)
シークレットなのにこんなに人が…。
展示参加者さえギリギリまで知らなかったのに…(笑)
初めて生で見ましたが、恐ろしい熱気でありました。
ちょっと参加しちゃったよ(笑)

ソムリエール』(原作:城アラキ/漫画:松井勝法/監修:堀賢一)第1巻が発売された。
城アラキ氏原作の一連の作品『ソムリエ』『新ソムリエ 瞬のワイン』『バーテンダー』に比べ、
キャラクター造形に早い段階から比重が置かれているように思える。
これは松井勝法の画風と大変マッチしているように感じられた。
ストーリーテリングの素晴らしさは変わらずだが、まだまだ膨らみそうで期待大。
2巻が待ち遠しい作品である。
ちなみに松井勝法氏はあのキユ氏らしいよ(笑)
編集部は素晴らしい原作者をつけてくれたものだ、とも思ったが、
同時に城アラキ氏の原作を扱うにはかなり相性の良いマンガ家でもあると思った。
この画風ならば過去の一連のシリーズよりもより広い客層に受け入れられるだろう。
一連作品のメディアミックスは過去ことごとく失敗に終わっている。
今作こそは、メディアミックスの成功を祈りたい。

スターバックス ディスカバリーズ クァンディ(キャラメル)』発売
コンビニで販売されるチルドカップ商品、いわゆる冷蔵カップコーヒー商品の新作。
既発のラテ、エスプレッソと同様、店舗と同じ豆を使用しているようだが、
前2商品は美味い事は美味いが店舗とはやはり比べ物にならない味だった。
しかし、この「クァンディ」はかなり店舗の味に近付いている。
今まで感じていた口に入れた瞬間の違和感がキャラメルの風味によって消され、
コーヒーの後味が同じ豆である事を感じさせてくれる。
要はただ単にキャラメルの味によって、
コーヒーの風味の違いが誤魔化されているだけなのだろうが、
全3商品の中で最高傑作と言えよう。

皆、一歩一歩前へ進んでいる。
目標へと着実に近付いている。
私のやろうとしていることは時間のかかる事だ。
それは理解しているし肝に銘じている。
それでもやはり焦りは感じてしまう。
早く、フィールドに立たなければ。

written by D.J.HIRO : 22:01 | comment (0)


2007年03月15日

お別れの日

3月2日~4日に開催しました『AUTAMATICA』展、
色々ありましたがなんとか無事終了致しました!
ご来場頂いた方々ありがとうございました~。
つか、私が出かけている時に来た方もいたようで、
メールなり電話なりくれれば良いのに!!と思いました(笑)

設営、展示期間中、空いた時間は喫茶店にこもって、
21日開催『東方不敗小町3』の新刊原稿をやってました(笑)
ドリンクとスイーツしかない店でツナギにブーツ履いた男が一人、
手帳にネーム切ってる姿は店員さんにどう映ったのでしょうか。
しかしまぁ、とにかくスケジュール的に展覧会と原稿を同時に進める他なかったので(笑)
で、肝心の原稿ですが、昨日無事入稿いたしました!
てことで『東方不敗小町3』の新刊は数年ぶりのオフセ本となります!
その他企画している物などあるので、詳細については続報をお待ちください!
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▲タリーズで原稿の図

別れというものは、その時すぐにでは無く、
少しの時間を置いて、落ち着いて初めて実感が沸いて来る。
悲しみなのか何なのか、しかし確実に私は今、失うと言う気持ちを感じている。

written by D.J.HIRO : 00:47 | comment (1)


2007年03月01日

3月2日より展覧会開催!!

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またギリギリか!!
はい、という訳で御無沙汰してます。
日記を書かないでいるとどんどん書くことが溜まって、
どんどん書くのがめんどくさくなってしまいますね(笑)

ともあれ、明日3月2日より『AUTAMATICA』展開催されます!!
今回の展覧会は余りにもグダグダ、そしてトラブルが多く、
私の身にもそれは恐ろしいほど降りかかっている真っ只中なのですが、
なんとか色々どうにかなって、初日を迎えられそうです。
2年生にとっては事実上の卒業制作展となるので、みなさま是非ご来場ください!!
無料配布される展示作品集(フルカラー冊子+DVD)も、
かなり良い感じに出来上がっているのでお楽しみに!

AUTAMATICA 多摩美術大学大学院デザイン専攻 情報芸術学外展
■会期 2007年3月2日(金)-3月4日(日) 11:00-19:00
 オープニング・パーティー 3月2日(金)19:00-21:00(とりあえずビール一本サービス予定(笑))
■会場 BankART Studio NYK
(みなとみらい線「馬車道駅」6出口より徒歩4分/JR桜木町駅 徒歩約10分)
■入場料 無料(展示作品集付き)

written by D.J.HIRO : 23:40 | comment (149)