2006年12月13日

バレちゃってる片想いって不毛だけどラクだもんね
罪悪感で相手は優しいし
もう これ以上ヒドイ事はおきないし
新しくキズつくこともない

ある月曜日、テレビで劇場版『NANA』と『のだめ』がブッキング。
『のだめ』を録画した私は『NANA』観れずじまい。
悔しさの余り『ハチクロ』を読み直す(何故!?)

ある日、本屋にて。
見慣れた文芸誌に並んで、いやに目立つ真っ赤な表紙が目に入った。
思わず近付いてみると、表紙には新潮文庫のキャラクター、パンダの「YONDA?くん」。
そしてタイトルであろう「yomyom(ヨムヨム)」と言う文字。
手にとって見ると、何てカッコいい本だろうか!
中をめくって、初めてこれが新しい文芸誌であると分かった。
小説新潮別冊季刊誌『yom yom』である。
確かめるまでも無かったが、デザインは大貫卓也氏。
『他とは違う顔を持つ事が強さだ』と説く大貫氏の理念が真っ直ぐに伝わってくる表紙。
海外のペーパーバックのようなスタイリッシュさだ。
過去、これほど美しい文芸誌が存在しただろうか。
(まぁ、おじさんとかは恥ずかしくて電車で読めなそうだが(笑))
判型や基本仕様が一般の文芸誌と同じ所も素晴らしい。
広告で文庫本を売ったという前代未聞の実績を持つ大貫氏であるが、
これもまた、文芸誌なのに中身など関係なく欲しくなる。
(ちなみに氏は、新潮社文庫から『マイブック』と言う「中身がほとんど白紙」の文庫本を出し、
 ベストセラーさせると言う「前代未聞」も起こしている(笑))
目次をチラリとみると、執筆陣もなかなかだったので即購入。
この執筆陣にもかかわらず表紙に作家名が全く載っていない所に大貫氏の自信が感じられる。
表紙から1ページめくると表紙のように真っ赤なページ。
ほう、一人目は石田衣良氏か。
と読み進めてページをめくると、
実はその小説が資生堂「TSUBAKI」の広告だと言う事が分かる!!
(目次には石田衣良氏の名前はない)
この赤は表紙の赤ではなく「TSUBAKI」の赤だったのだ。
大貫氏が「TSUBAKI」のアートディレクターだからこそ出来たアクロバットな遊び。
『広告が広告の顔をしている限り人は広告を見ようとしない』とは大貫氏の言葉だが、
まさにこれは小説の顔をした広告である。
(しかも文芸誌を買う客にとっては、有名作家の短編が増えてお得な気分だ。)
ちなみにその中身であるが、短編、連載、エッセイ、コラム、海外文学と、
幅広く楽しめる幕の内弁当のような構成で、なかなか楽しめる。
最近は売るために文芸誌も「萌え」やら「ラノベ」やらに走っているが、
粗悪な中身を乱造するよりも、既にある物を自信をもって売っていくべきだ。
今、ブックデザインで文芸誌を売ると言う「前代未聞」がまた生まれようとしている。
しかし、広告、デザインは入り口を広くする物でしかない。
「萌え」に勝てるかどうかは中身にかかっている。

ある日、東急ハンズ新宿店にて。
一階でもらった広告に載っていたウォレットが、物凄く村田蓮爾氏のプロダクト作品に似ていた。
ブランド名などの表記はない。
もうパクられたのか!?
と、売り場へ向かうと、なんとそこには村田蓮爾プロダクトの特設コーナーが!!
しかもエスカレーター上がった目の前の一番目立つ所だ。
個展と直販以外での販売は初めてのはず。
ハンズで扱われるとは素晴らしい偉業である。
しかしまぁ、いかんせん高いと言わざるを得ない。
今までの販路ならファン向けの販売だから良かったかも知れないが、
一般ブランドと並列して売られるとなると、この価格はネックだ。
そしてファンとしてあえて言いたいのは、氏のプロダクトは少々実用性に欠けると言う事。
素晴らしい品質とルックス、そしてこだわりだが、いまいち使い勝手が良くない物が多い。
機能とデザインの両立は可能なはずだ。
いや、両立無くしてデザインなどあろうハズが無い。
開発環境が一般メーカーとは全然違うだろうし、
実用テストなどが不十分なのは仕方が無いことであるが、
他ブランドと同列の価格と市場で勝負するならば、その辺もてこ入れが必要かと思う。
それが克服された時、村田氏のプロダクト作品はファンアイテムを越えるハズである。

written by D.J.HIRO : 2006年12月13日 00:16



comments

どんなに油ギッシュなおじさんもこの本読んでたら可愛く見えますね。

『マイブック』昔買ったよ〜。ほんと前代未聞でしたね。夏目漱石とかと並んで自由帳が売ってんだもん。

written by 鷹蒔有哉 : 2006年12月13日 10:00

表紙がツルツルしているので油ギッシュなおじさんは、
YONDA?くんをベトベト指紋だらけにしないように注意していただきたいですね。

マイブック買いましたか!
物凄い面白いものだと思うけど、
実際周りに並んでる作家達はどんな気分だったんだろうね(笑)
しかしまぁ、あれもまた素晴らしい作品の一つですからな。

written by D.J.HIRO : 2006年12月14日 22:26